毎日2021.07.31 東京朝刊から まあ、コロナ対策どれだけかかるかわからなかったので、多めに、というのは一応わかりますけどね。
財務省は30日、国の2020年度一般会計予算のうち、21年度への繰越金が過去最大の30兆7804億円になったと発表した。20年度は新型コロナウイルス禍に対応するため3回の補正予算を組み、歳出総額が過去最大の175兆円超に膨らんだが、執行の遅れが起きて2割弱を使い残した。予算規模を大きく見せようとした側面もあり、識者は「政策の中身の議論が不足している」と指摘している。
国の予算は、その年度内に使い切る単年度主義が原則で、使い残した予算は国庫に返納する必要がある。その一方で、財政法には自然災害などやむを得ない場合や、支出が終わらない前提で事前に国会の議決を経た場合に限り、翌年度に繰り越せる特例がある。そのため実際には、毎年度数兆円規模の予算が翌年度に繰り越されており、今回も特例を適用した。
繰越金としてこれまで最大だったのは、東日本大震災の復興関連予算を計上した12年度の7兆6111億円。20年度の繰越金は12年度の約4倍にも膨らんでおり、麻生太郎財務相は30日の閣議後記者会見で「コロナ関係の事業は、執行する地方自治体が事業者から申請を受けて支出するものが多く、予算が繰り越される理由はいろいろある。21年度に繰り越した予算は着実に執行していく」と説明した。
20年度の繰越金の内訳では、コロナ禍で苦境に陥る事業者の資金繰りを支援する実質無利子・無担保融資(6兆4140億円)が最大だった。他にも、休業や時短の要請に応じた飲食店への協力金に充てる地方創生臨時交付金(3兆3115億円)▽観光支援事業「GoToトラベル」(1兆3353億円)--などが新型コロナ関連。公共事業関係費は4兆6937億円に上った。
過去最大になった繰越金について、明治大公共政策大学院の田中秀明専任教授(経済政策)は「今年1月末に成立した20年度第3次補正予算(約19兆円)があまりに過大で、年度末までに使い切るのは無理があった。規模ありきだった第3次補正には、国土強靱(きょうじん)化推進など必ずしも新型コロナとは関係ない事業も多く含まれており、政策の中身をしっかり検証する必要がある」と述べた。【袴田貴行】