国税庁「税務行政の将来像~ スマート化を目指して ~」(平成 29 年(2017 年)6月 23 日)の「軽微な誤りのオフサイト処理」(12頁)も見ておきましょう。
(将来像) ○ システムを活用した申告内容の審理の結果、軽微な誤り事項等が把握された場合(コンプライアンスリスクが低いと考えられるケース)は、電子的な手段により、個々の納税者へ自動的に是正の依頼(行政指導)を行うことで、可能な限りオフサイトによる接触を図っていくことが望ましいと考えています。これにより、効率的かつ幅広い接触を図ることが可能となり、税務コンプライアンスの向上につながるものと考え られます。 ○ 申告の是正依頼に対して、納税者から応答がない場合などは、別途、行政指導を担当するコールセンターから、オペレータが電話等により直接、是正依頼等を集中的に実施することとし、その場合、AIを活用することで応答事績を自動作成するとともに、申告の是正が必要な事項や納税者との過去の接触状況等と併せて分析して、より接触効率の高いコールリストが自動的に作成されるようになると考えています。 ○ 源泉所得税については、法定納期限までに納付がない場合、源泉事務集中処理センターにおいて、納付指導として納付状況の確認と納付依頼の行政指導を行っていますが、上記と同様にAIを活用することにより、電話等による接触効率の高いコールリストが自動的に作成されるようになると考えています。 ○ 滞納となった国税については、滞納者の態様に応じて、納税コールセンターから集中的に納付指導を行う場合のコールリストの作成において、同様にAIを活用することにより、接触効率を向上させることが可能になると考えています。 (注)1.コンプライアンス: 法令や規則をよく守ること。法令遵守。本資料においては、適正な申告・納税を行うこと。 2.オフサイト: 現場から離れた場所の意。本資料においては、納税者等に手紙・電子メール等による接触を図ること。(対義語:オンサイト) 3.コールセンター: 電話対応業務を専門的に行う部署。国税組織においては、納税コールセンター(集中電話催告センター)のほか、源泉事務集中処理センターなどがあります。 4.コールリスト: 電話により接触を行う対象者を示した一覧。 |
申告内容のミスについては、コールセンターからの指導により、簡易迅速に解消、ということのようです。この場合、加算税の扱いをどうするかには言及していませんが、この段階での処理については、加算税の対象から除くのがいいと思います。課税庁は、そんなことをしたらいい加減な申告が増えると反対するでしょうが。しかし、繰り返していい加減な申告をする者も自動的に把握できるようになるのですから、目くじら立てなくてもいいのではないでしょうかね。
さて、主権者でもある払税者として、このようなシステムで生活をすることが便利かどうか、いろいろ考えてみる必要はありそうです。