1人1200ドル給付 中小に3000億ドル 米、経済対策原案
朝日新聞2020年年3月21日ト
米上院共和党は19日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた1兆ドル規模の経済対策の原案をまとめた。年間所得7万5千ドル(約840万円)未満の米国民1人当たり1200ドルの現金給付や、航空業界に580億ドル、中小企業に3千億ドルを金融支援することなどが柱だ。米議会では、巨額の財政出動の必要性では与野党が一致しているが、企業救済の必要性については論争も起きている。▼1面参照
働く人々の雇用や消費が急減して、米経済は急激に収縮しつつある。住宅ローンなどの支払いができない人が急増すれば金融システムも打撃を受ける。
共和党案では、夫婦の世帯では2400ドルを給付し、子ども1人につき500ドルを追加。年間所得9万9千ドルを超える人には給付しない。ムニューシン財務長官によると、議会が法案を可決後、3週間後に小切手を送る計画。それから6週間後も「国家非常事態」が続いていれば追加の現金給付を検討する。
企業救済を巡っては異論もある。下院で過半数を占める野党民主党は、株価を上げる「自社株買い」などに資金を投じ、幹部らが高額報酬を受けてきた航空業界などへの手厚い支援には批判的だ。上院民主党トップのシューマー院内総務は「資金を労働者を支えるために使っていたら、いま現金がないということはなかったはずだ」と演説した。(ワシントン=青山直篤)