相続財産は「評価額」で評価されるのが原則。その理由は実際には取引されていないので、時価がわからず、その結果、相場よりも低めに評価する。これに対して、相続時点に実際に売買されている契約状態にあるなら、その価格で評価すればよい。これが現行実務の原則。
父親が土地の売買契約後になくなった。契約していなければ評価額(たとえば10億円)ですんだのに、契約しちゃっているので契約価額(たとえば23億)で課税されてしまう。そこで、契約を解除すればどうなるかが争われている、という報道。
このケースでは「男性が亡くなる2日前に売却契約を解除していたとする不動産登記が、遺族が土地を相続したあとになって行われ、契約金額の半分にも満たない評価額に基づいて相続税が計算されていた」。この場合は、相続開始「後」に解除登記がなされているので、相続時の評価としては弱そう。もし、相続開始2日前に、本人が売買契約を解除し、登記等も戻していたら、課税庁は手を出せただろうか?おもしろい問題ではあります。