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県は12日、県内39市町村の2020年度普通会計決算を発表した。昨年は財政が特に悪い奈良市、五條市、宇陀市、平群町、河合町に対して、重症警報を発令していた。今年は新たに出した自治体はないが、5市町が引き続き悪いとして警報を継続する。(萩原大輔)
財源に対して人件費や公債費などの義務的経費が占める割合を示す経常収支比率は、平均が95・6%で前年度より2・4ポイント改善された。36市町村で改善して全体的に持ち直しており、制度の変更などに伴って地方消費税交付金や普通交付税が増加した影響という。
ただ、依然として全国平均(93・1%)より悪い状況にあり、県は「決算規模が大きい市の改善が特に重要」と指摘。全国平均レベルまでにするには、奈良市で約33億円、天理市で約13億円などの歳出削減が必要としている。
市町村別で最も悪かったのは黒滝村の104・0%で、天理市101・8%、御所市101・1%、大和高田市100・2%、田原本町99・5%と続いた。良かったのは、御杖村78・6%、川上村83・4%、曽爾村83・8%、山添村84・4%、川西町85・7%の順だった。
標準財政規模に対する公債費の割合を示す実質公債費比率の平均は、9・2%で前年度比で0・6ポイント良くなり、標準財政規模に対する将来の負債の割合を示す将来負担比率は、56・0%で同12・2ポイント改善した。しかし、全国平均はそれぞれ5・7%、24・9%のため、改善の余地は大きい。基金残高比率の平均は、5年ぶりに改善して20・4%となった。
荒井知事は記者会見で「市町村はまちづくりのパートナーであり、体力をつけてもらいたい」と述べた。
◇主な財政指標のワースト5(2020年度)
順位 経常収支比率 実質公債費
比率 将来負担
比率 基金残高
比率
1 黒滝村 104.0 河合町 18.4 平群町 222.8 河合町 2.5
2 天理市 101.8 平群町 16.7 河合町 199.0 奈良市 3.0
3 御所市 101.1 上牧町 13.9 五條市 120.9 平群町 3.0
4 大和高田市 100.2 香芝市 13.5 奈良市 119.7 桜井市 3.5
5 田原本町 99.5 五條市宇陀市 13.4 宇陀市 108.6 橿原市 8.5