平成30年02月23日衆議院予算委員会第七分科会で、公明党の伊佐進議員が木製の泡盛に対する税務署長の許可制度を問題にしました。
○伊佐分科員 ・・・・
次は、泡盛の話をしたいと思います。焼酎の、沖縄の泡盛。
企業がいろいろ活動する中で、税というものは、インセンティブにもなれば障害になる場合もあります。
酒税法の話、きょうは財務省にも来ていただいております、国税庁ですね。泡盛は、酒税法上は単式蒸留焼酎というものです。
私、選挙区は大阪なんですが、もともと伊佐という名前は沖縄の名前で、沖縄の名護にルーツがあるんです。先月、名護に大事な用事があって名護にずっといたんですけれども、そのときに、名護のある酒蔵を訪れました。その酒蔵は、木のたるで、オークだるで泡盛をつくっているんです、熟成させているんです。八年とか十二年とかずっとオークだるに入れて熟成させて、本当に、味見もしたんですけれども、物すごくおいしくて、風味も豊かでした。
ちなみに、大臣もお酒は飲まれますか。(世耕国務大臣「飲みます。泡盛、大好きです」と呼ぶ)では、今度お届けします。この十二年とか、本当にすばらしい色もしていまして、すばらしい風味だったんです。
まず、最初の質問は、この泡盛、単式蒸留焼酎は、木製の容器に入れているものだけ、製造所から出すときに税務署長の許可が要るんです。ステンレス製のやつは許可は要らないんです。でも、木製のやつだけ要るんです。これは何でですか。○並木政府参考人 お答え申し上げます。
現行酒税法は、各酒類にその消費態様に応じた負担を求めるため、酒類を原料や製法により細かく区分いたしまして、その区分ごとに税率が設定されているほか、製造免許につきましても、その区分ごとに与えることとされております。
このため、酒税法では、酒税の取締り又は保全上の必要性から、一定の酒類を製造場から移出する製造者に対して税務署長の承認を受けることを求めておりまして、今御質問のございました木製の容器に貯蔵した焼酎の移出についても、政令において承認事項というふうにされております。
この理由についてでございますけれども、単式蒸留焼酎を、今お話がありましたとおり、例えばカシだる、カシの木でできたたる等の木製の容器に貯蔵した場合、容器の成分が焼酎に浸出、溶け出まして、香味、色沢が変化しまして、本来の焼酎の香味、色沢とは異なるものとなりまして、ウイスキーの酒の質に類似した焼酎になるということになるわけでございますけれども、この場合、焼酎とウイスキーでは必要となる製造免許や両者にかかる酒税の税率が異なること等を踏まえまして、酒税の取締りや保全上の必要性から、そうした焼酎を移出する場合には税務署長の承認が必要とされているところでございます。○伊佐分科員 これは、私が勉強したところでは、当時、サッチャー首相から言われたそうなんです。つまり、同じような色になってしまうので、税逃れだ、ウイスキーの方が税が高くて、泡盛の方が、焼酎の方が低いので、これは税逃れだという話で、もし出すんだったら、一定以上色がついている、吸光度というんですが、一定以上色がついていたら泡盛としては出させない。もちろんウイスキーではありませんので、ウイスキーとしても出せない。つまり、出せなくなるんです。たるから、製造所から出せなくなる、こういう状況になりました。
それで、どうなったかというと、リキュールだったら出していいよと言われたんです。リキュールというのは、まぜ物です、まぜ物をすれば出していいよと。二%ぐらいまぜ物をするんですが。だから、今どうやって出しているかというと、本当はまぜ物をしたくないんですが、純粋な、そのままで出したいものを、あえてまぜ物をしてリキュールに変えて出している。それでようやく出せるようになる。
言われたのは、泡盛でもちろん出したいんですけれども、せめてリキュールじゃなくてスピリッツで出せないかと。スピリッツは本当に、リキュールとは全然、格といいますか、まぜ物がないものですので、スピリッツということでぜひオーケーしていただきたい、その方が世界からも受け入れられるんじゃないかと思うんですが、いかがですか○並木政府参考人 お答え申し上げます。
酒税法の区分におきまして、泡盛は今先生がおっしゃられたとおり単式蒸留焼酎に区分されますが、この泡盛に余り風味等に影響を及ぼさない食物繊維等を混和するなど一定の工程を加えることによりまして、その区分はスピリッツとなりますので、こうした形での製造、出荷を行うことは可能でございます。
ただし、色の部分につきましては、泡盛よりもスピリッツの方が許容度が高くなってはおるんですけれども、やはり泡盛もスピリッツも、木製の容器で熟成させ色づけする場合には、着色度などの一定の要件を満たすことについて税務署長の承認が必要となっておるところでございます。
なお、国税庁といたしましては、このような着色度の規制につきましては、先ほど申し上げたとおりでございますけれども、泡盛やスピリッツとウイスキーとの区分を明確にしまして、酒税の取締りや保全上の観点から必要なものとなっておりますし、また、ウイスキーの色、艶などに対する消費者の認識が定着している中で、消費者の誤認防止ですとか適切な商品選択の観点からも、当該規制は有効に機能しているものと考えております。
また、泡盛を含む単式蒸留焼酎の製造者の中でも、またウイスキーの製造者の中でも、現行の着色度規制の維持あるいは緩和についてさまざまな意見があるという段階だというふうに承知しておりまして、国税庁といたしましては、当該見直しについては、まずはこうした関係業界における議論をしっかりと注視していきたいというふうに考えているところでございます。
この問題の背景には、日本の分類差等課税制度といんちきウイスキー作りが背景にありますね。サッチャーが、日本の酒税制度に怒り、殴り込みをかけてきたとき、特級などの級別課税が廃止されました。木で熟成させると泡盛がウイスキーに似てしまうのは当たり前ですよね。蒸留所をシェリー酒の樽で寝かせたらできたのがウイスキーなんですから。