平成30年02月13日衆議院本会議でのやりとり。
○金子恵美君 無所属の会の金子恵美です。
ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案及び国際観光旅客税法案につきまして、会派を代表して質問いたします。(拍手)
・・・・ 国際観光旅客税、いわゆる出国税については、観光立国実現に向けた観光基盤の拡充強化を図るとの看板は美しく見えますが、本来、地方経済の活性化等の観点から、観光インフラや観光資源の整備促進のための財源は一般財源に求めるべきです。
出国税など、国境を越える人や金融資本の移動にかけられる税は、これまでの国際連帯税の議論や諸外国の導入実績等も踏まえ、主として、気候変動や感染症対策などの国境を越えた地球規模課題への対策にこそ使われるべきと考えます。
一九九二年に導入された地価税以来の新税であるにもかかわらず、十分な検討なく取りまとめられた国際観光旅客税は、なぜ日本人出国者にも負担を求めるのか、なぜ出国一回につき千円という水準なのか、なぜ来年一月七日から適用という性急過ぎる時期が設定されているのか、全くわかりません。総理の明確な説明を求めます。○安倍首相
・・・・国際観光旅客税についてお尋ねがありました。
観光は、我が国の成長戦略の柱、地方創生の切り札です。
今般、二〇二〇年四千万人の達成に向けて、これまでにない高次元の施策を一気呵成に展開していく必要があります。
また、二〇一九年にラグビーワールドカップ、二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピック競技大会を控えており、受入れ体制の充実を図る必要があります。
このため、来年一月七日以降の出国に適用される国際観光旅客税を創設し、観光施策の充実に必要な財源の確保を図ることとしました。
課税の対象に関しては、空港、港湾の出入国の円滑化、利便性向上が含まれることを勘案し、受益と負担の観点も踏まえ、日本人出国者にも御負担をお願いすることとしています。
税額の水準に関しては、近隣アジア諸国との競争や訪日旅行需要への影響等を考慮し、出国一回につき千円の御負担をお願いすることとしています。
今後、新たな財源を活用し、瞬時に顔を認証して入管審査を通過できるゲートの整備など、先進的でコストパフォーマンスの高い観光施策に取り組んでまいります。
観光立国日本を目指し、4千万人の観光客を受け入れるために金を使う、ということのようですな。顔認証は問題も多いようで、果たしてどこまで具体化できるでしょう。私(三木)は、このような増税自体は必ずしも悪いことではないと思います。ただ、このような小さいところだけでこちょこちょやって、本来政府与党が取り組むべき課題を避けていることが問題だと感じています。