今回の要件緩和は、かなり大胆。事業承継しながら、廃業したときは廃業時の評価に変更だそうだ。租税回避を生み出す伏線がいろいろ生じているような気がします。
******************************(以下は11月23日)****************
 事業承継税制の要検討を緩和したいようです。雇用の8割基準も見直すとのこと。確かに、事業を承継するからと言って、事業収益では払えないような相続税負担は苦しい。しかし、他方で、所有する以上その財産を処分する権限は持てるので、承継したことにして軽減だけ適用され,処分されたら優遇の意味がない、と言うジレンマがあります。下のドイツのように厳密には憲法上の問題もあります。悩ましいですな~。
  • *******************(以下は15年7月8日)*********************
  •  ロイター7月7日の「独連立政権、相続税改革で合意」がドイツのこの間の事情を紹介しています。実は、ドイツでは中規模企業や家族経営製造業の所有権を相続する際、相続後7年間にわたり事業を継続することや、雇用を維持することを条件として相続税を免除してきた。昨年、連邦憲法裁判所がこの現行制度は憲法に反するとの判断を下したため、この優遇を圧縮する改革案を出したようだ。今回の法案では、600万ユーロに引き上げ、家族経営企業については5200万ユーロを上回る場合、相続人は、従来の相続税免除を受け続けるためには、個人資産から相続税を支払えないことを証明しなくてはいけないようだ。  いずれにせよ、事業承継を優遇することに、憲法裁判所がノーと言っていることには注目しておきたい。諸外国の最近の事業承継については、この文献が簡潔に紹介しています。
  • なお、日本で過度の優遇措置が執られた場合違憲となるかというと、優遇を受けた人は争いませんし、優遇を受けられない一般庶民はそのことによって自分の権利が侵害されているわけでもないので、裁判をすることもできません。ですから、租税特別措置がはびこっているのです。これに対してドイツでは憲法裁判所という特別な裁判所があり、ここでは具体的権利侵害等での争いがなくても、ある法律が違憲であるかどうかを争えます。フランスも同じです。日本とアメリカは司法裁判制度で、抽象的な法令の違憲審査はできない、という違いがあります。
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