アメリカに企業を呼び込んでも、工場をロボット化すれば、トランプを支持した労働者の職場は増えないというジレンマ。この処方箋としてのロボット税の提案があるそうです。
エコノミスト「驚異の工場自動化 米国 毎年40万人分の仕事が減少 処方箋は「ロボット税」導入」(岩田太郎)第95巻第39号通巻4520号36頁は以下のように報道。

中西部インディアナ州インディアナポリスに工場を構える空調大手キャリアは昨年12月1日、就任前のトランプ大統領の圧力に応える形でメキシコへの製造ライン移転計画を撤回し、1100人の雇用を維持すると公表した。
 同社は雇用維持と引き換えに、州政府から700万ドル(約7億7000万円)の税制優遇を受け、その分を含めた合計1600万ドル(約17億6000万円)を工場に投資すると、トランプ氏に約束していた。
 ところが実際に雇用が維持されたのは800人に過ぎず、7月20日にはその内600人超の従業員の解雇が開始された。しかも、キャリアの投資は従業員の雇用維持ではなく、主にロボットを使った工場自動化に使われることが判明し、地元に深い失望を与えた。「米国への製造業回帰は、実際は、自動化による人減らしが目的ではないか」という疑問が提起されるようになった。

そこで処方箋として下記のような提案があるそうです。

処方箋としてタイソン教授は、(1)労働者の教育や訓練、(2)所得補助金給付・賃金保障保険の拡充──、など社会的セーフティーネットを挙げた。その上で「オートメーションによる所得と富の移転が公平な結果をもたらすような、より累進的な所得税と所得移転の政策」の必要性を強調した。
 こうしたなか、マイクロソフトの共同創業者、ビル・ゲイツ氏は2月の「クオーツ」のインタビューで、「ロボットは税金の支払いから除外されるべきではない」と述べ、ロボット税の創設を提言した。そして、「ロボットからの税収は、社会福祉目的で使われるべきだ」と論じた。
 カリフォルニア州では8月に、ゲイツ氏のロボット税提言を参考に、「州内で人間の労働者の仕事を奪うロボットや機械に対して、『給与税』を課す」という法律の成立に向けた運動も始まっている。税収は最低限所得保証制度である「ベーシックインカム」や職業訓練の財源として使われることが想定されている。
 トランプ大統領の「製造業回帰政策」の後押しを受ける米製造業のリショアリングは、2500万人の雇用創出どころか、既存の仕事さえ守れない皮肉な結末をもたらす可能性がある。

***************(9月6日)

ロボって税を導入すべきという論議も外国ではあるようです。

ロボット導入を抑制するためのものだとすると、導入を遅らせるだけで、無意味な施策ということになります。

ロボットにより職を失う人に対する転職支援の財源にする、というのなら少しは理解できますね。