朝日新聞デジタルの「特派員レポート」はとても考えさせられる記事が多いのでお勧めです。7月28日の「ギリシャ人は怠け者か」を読むと、一般に流される民族論の危険性を改めて感じます。

明確な根拠がないにもかかわらず、一部のヨーロッパ人がギリシャ人に対しこうした見方をするのは、今に始まったことではないようだ。

 ベルリン芸術大学のハンス・ユルゲン・アルト教授(メディア・コミュニケーション学)によると、欧州では「南欧諸国=怠け者」という偏見は200年以上前からあるという。理由は18世紀後半から始まった産業革命だ。「英仏などが生産性向上に成功したのに対し、南欧諸国はその道をたどれず、怠け者というイメージを作った」とみる。ギリシャの財政危機に乗じて、メディアがこのイメージを利用しているというのがアルト教授の見方だ。

 ただ、ギリシャでも、大衆紙がドイツをナチスとなぞらえた記事を掲載したり、ギリシャにさらなる緊縮を迫るショイブレ独財務相をヒトラーに見立てたポスターが貼られたりしている。アルト教授は「ギリシャでもドイツに対する画一的なイメージづくりが広がっている。2国のこうした報道は、本質的な議論を遠ざけてしまう」と指摘する。

 本当にそうですな。日本のヘイトスピーチも同類でしょうね。反知性をどう克服するか、人類の課題でもあります。